2017年 06月 23日
“ありがち”コンセプト・ワーク@神戸芸術工科大学
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2017年6月22日(木)
神戸芸術工科大学「ファッション企画演習」
プチワーク「“ありがち”コンセプト・ワーク」
昨日は神戸芸術工科大学での授業でした。
担当する科目は「ファッション企画演習」なのですが、
いつも授業導入前に、企画発想力や、編集力を上げるために、
30分〜60分程度のプチ・ワークをはさんでいます。
この日は「“ありがち”コンセプト・ワーク」で、
次のような狙いがあります。
(1)抽象概念の解釈とアウトプット表現
企画の学生は、鍛えこまれてロジック的な思考プロセスは得意ですが、
他方、抽象的な概念や問いを打ち立てて、解釈しなおし、
それを「もの」でアウトプットしていくことに、
あまり慣れていないようにも感じます。
そこで「よくありそうな(笑)コンセプト・ワード」をテーマに、
テンプレートを使って、古雑誌からシャツのデザインを切り出し、
簡易なディスプレイ・ウィンドウを作るワークです。

(2)発想を制限する「枠」という存在に気づく
ふつうシャツのデザインというと、
「シャツという枠」の中でデザインを考えてしまいがちですが、
このワークは、大きなビジュアルの中から「枠でデザインを見出す」
という逆のプロセスで進めます。
このプロセスを通じて「発想は無限」であることに気づきますし、
「自分の中からこんな表現が出てくるんや」ということに
驚くことさえあります。
枠の中で「デザインを考える」のではなく、
枠(と感性)で「デザインをキャッチする」という感じでしょうか。

(3)創造の傾向に気づく
完成後、客観的に作品を俯瞰し、自己分析してもらいます。
人それぞれ「発想の傾向」がありますが、
縦軸で「一貫性と多様性」の発想傾向、
横軸で「独自解釈と共感解釈」の発想傾向を設定し、
自分がどの傾向にあるのかを分析します。
ちなみにボクの場合は、
アイデアを多様に分散させながら、
みんなが共感できるような「多様ー共感」のポジションにあるようです。
作品が次々に完成して、発表。
さすがファッション企画の学生、
ほんの1時間でかなりかっちょいいディスプレイが出来上がりました。
この作業、結構な大人でも夢中になるので、
さすがの学生も、今日は静かでした(笑)。
by at_caprice2
| 2017-06-23 11:00
| 大学・高専での仕事