2015年 10月 17日
ボクの童心をくすぐる建築
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【カプリスの本棚】沢田マンションの冒険
ボクは子どものころ、
近くの空き地や、廃墟などに「基地」をつくって遊んでました。
なぜだか、学校や公園では話せないことが、
基地に入ると、腹をわって話せる不思議。
ちょっと、そんな懐かしさとときめきを感じました。
沢田マンション。
その名前を、はじめて本屋さんで知りました。
偶然の出会いです。
1971年から、沢田さんご夫婦でつくったセルフビルド・マンション。
たぶん、まだ完成していません。
いまだ、必要な形に変化しながら、有機的に動き続けてます。
マンションと言えば、
画一的な部屋がイメージされますが、
ここは、一部屋一部屋が沢田さんのインスピレーションで作られた、
個性的な、バラバラのつくり。
プライベートの尊重もない、明け透けの構造。
またマンションの中に、
部屋を貫通する自動車スロープや、
釣り堀があったり、お座敷バスがあったり、
水田や、庭園、製材所、クレーンなど、
まさにワンダーランド!
でも、違法建築(笑)。
不思議なことに、ここに集う人は、
沢田マンションをこよなく愛し、
住民が一致団結してマンションを守ったり、
イベントで盛り上げたり、防災の意識を高めたり、
理想的なコミュニティーを作っているようです。
沢田さんの「やりたいから、やる」という、
頑固で、でも童心に満ちた、愛ある哲学と、
それを理解し、支える家族。
そしてそこに住まう人たちの、有機的なつながり。
建築の本ですが、
今の時代を生きる、ひとつのヒントが示唆されているように思います。
by at_caprice2
| 2015-10-17 18:42
| カプリスの日常