2013年 09月 19日
「デザイン図解」的発想法
|

そういえば、ふつうの「図解講座」なら何度かやりましたが、
「デザイン図解」のワークショップは、したことがありませんでした。
どう違うのかというと、
普通の図解が
(1)分かりやすく伝えること
(2)思考を整理すること
…とすると、
それに加えて「デザイン図解」は、
(3)線引きを変えて、新しい「価値」を創造する
(4)分解して「問題」を発見する
(5)感性に訴えて「関係性」をつくる
…なども目的にしています。
今回、三重県津市の勉強会「アストマインド・ラボ」では、
(3)の発想法を体験していただくプログラムをデザインしました。

■線引きを変える
図解は、バラバラなキーワードをグルーピングし、
構成するものです。
その段階で「固定概念」をはずし、新たな視点を投げかけることで、
線引きを変え、全く新しい概念を生みだすのが「デザイン図解」です。
これによって、既成の組み合わせから、
(1)新しい価値・概念ができる
(2)新しい市場が見つかる
(3)本質を串刺しにしたコンセプチュアルな視点が見つかる
…を目指します。

■メタファー自己紹介
ワークショップは、カードを使って「遊び感覚」を大切にしました。
「図解」と名のついたプログラムなのに、一切図解は描きません。
まずは自己の「ブランド」を表現するために、
カードを使った「メタファー(たとえ)自己紹介」を2回。
1回目は「必然性」の中から、
2回目は「偶然性」の中から「共通概念」を見出し、
言語化しました。

この時点で、対象物の概念やイメージを徹底分解し、
独自の視点を投げかける「デザイン図解脳」に
スイッチしています。

■線引きポーカー
メインワークは「ポーカーゲーム」のように、
カードの「共通性」をグルーピングするゲームです。
ポイントは「偶然性」。
よくあるKJ法は「似た意味を持つものをグループ化」するものなので、
プレイヤーの「発想の範囲内」でしか「意味の再編集」はできません。

ポーカーゲームは「たまたまの組み合わせ」から共通概念を見つけるため、
もうあと一歩、クリエイティブ脳を働かせます。
こうして各班ごとに、
ユニークなグルーピングがいくつか出来上がってきました。

■名前をつける
できあがった「くくり」に「名前」をつけることで、
新しい価値、新しい市場が生まれます。
たとえばファッション界の「森ガール」も「ことな系」も、
ある共通の概念や潮流から、
一つの視点でグルーピングし、
「名前」をつけたもの。

変な言いかたですが、
マーケティングの本質は、
ああでもない、こうでもない、と、
いつも「新しい線引き」を引きなおしているような仕事。
そして、それこそ「デザイン図解」の、
一つの側面なのです。

90分という短い時間でしたが、
参加者の皆さまの笑い声や唸り声に満ちあふれ、
とても豊かで楽しいひとときでした。
何よりも三重県の人々の「学ぶ意欲」の高さに、驚きました。
みなさま、ありがとうございました!
(記:ゴリ)
by at_caprice2
| 2013-09-19 22:01
| 講座・イベントレポート