2013年 08月 25日
「嗜み」のデザイン思考
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undesign 「嗜みのデザイン思考」
2013年7月6日(土)14:00〜18:00
@神戸KIITO
今回のundesignのテーマは、
「いい感じをつくる〜嗜み(たしなみ)のデザイン思考」。
たしなむ。
人と人が関わるうえで、とても大切なことばのように感じます。
もしかしたら、ここに「デザイン」の神髄が隠れているのかもしれません。
古きと新しきが交わる町、神戸を舞台に、
社会における「自分のありかた」を考えるサロンを開催しました。
【プログラム】
(1)仮説〜「たしなみ」の社会モデル
(2)それぞれの「たしなみ」を語らう
(3)背中が語る「たしなみ」〜体を動かす
(4)「いとをかし」を見つける旅
(5)風景を作りこむ
(6)主客一体のたしなみサロン
■それぞれの「たしなみ」
「たしなみ」ということばに感じる、
主観的なイメージは人それぞれ。
でも共通していえることが、決して「自分のためだけ」ではなく、
「誰かと関わる」を土台にしている点。
たとえば「写真をたしなむ」というと、
個人的な趣味ではなく、誰かを喜ばせようとする意思が含まれます。
そして、やっぱり「たしなみ」には、
「愉しむ」や「憧れ」のニュアンスも少しあるようです。
教養と娯楽の間にある、絶妙なラインに「たしなみ」があるとすれば、
デザインや学びのモチベーションに、
大きなヒントを与えてくれるキーワードかもしれません。
■ものごとを“愉しむ”こころ
たしなみのある人って、どんなのだろう?
「いろんなものの愉しみかたをデザインできる」
それが、ボクのひとつの考え方です。
たとえば、ふだん見過ごしてしまっているような、
道端の小さな花。
街角の風景。
家族との何気ないひととき。
どんなものでも「愉しみ方」をデザインしちゃえる。
ふだんの「何気ない」や「あたりまえ」に、
ちょっとだけ意識してみる。
ちょこっとだけ視点を変えてみる。
それだけでとても豊かで、味わいぶかい毎日になるだろうし、
それが「学び」や「デザイン」につながると思うのです。
少し目線を変えて、神戸の町を歩いていただき、
この後のサロンを彩る「風景」を持ち帰っていただきました。
■“たしなみ”は背中にあらわれる?
町に出るまえ、少しだけ体を動かすワーク。
ここで意識するのは“背中”。
自分では見えないけど、人には見えるもの、それこそ“背中”。
まさに“たしなみ”は、背中に顕れるのかもしれません。
デザインの視点でたとえて言うなら、
「マーケティング」は前面に表れ、
「ブランディング」は背中に顕れる。
背中を意識して歩くのも、いいですね。
■“たしなみ”の交わり
体系だてた「学びのプログラム」を提供するのではなく、
あちらこちらに散りばめた「思考のスパイス」と、
参加者同士の「コミュニケーション」でもって、
個人個人に「自分への意味づけ、編集」をしていただきます。
つまり、一人一人の“たしなみ”が交わることで、
上質な学びの時間が創造されます。
■もてなす、もてなされる
主客一体となって、場をしつらえていきます。
undesignの提供するのは、いわば対話のプラットホーム。
そこからどのように自分たちの居場所をカスタマイズするか。
これからの産業は、
企業から一方的に「完成品」を提供するのではなく、
顧客との「共創」の余白を残した「半製品」の概念が広がると思うのです。
企業と顧客の「よりよい共創」のために、
“たしなみ”という言葉は、あらためて見直されるかもしれません。
■素材を知る
神戸ベイシェラトンホテル&タワーズ様より、
とても素敵な料理が届きました。
この夏オープンした「シェラトンマルシェ」でも取り扱っている、
淡路島や地域のこだわり厳選食材をベースに、
シェフがこの企画のために腕をふるっていただきました。
これも「半製品」として、盛りつけはもちろん主客一体。
一つ一つをていねいに盛りつけながら、
じっくりと素材を知る、すてきな時間。
そうです、“たしなみ”とは、
良質な素材を知ることでもあるのです。
そんなこんなで、あっという間のひととき。
参加者のみなさま、協力していただいたみなさま、
スタッフのみなさん、本当にありがとうございました。
(記:ゴリ)
by at_caprice2
| 2013-08-25 15:20
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