2012年 06月 19日
今和次郎さんが面白い
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「それぞれ意味ある必然からで、一寸も一分もすきがない」
これは、Undesign@現長の「一行一会」にて、
ボクが選んだ一行です。
今和次郎さん。
「考現学」という学問(考“古”学に対向して)を提唱した学者。
また、建築家。
また、デザイナー。
大正から昭和初期の、都市や地方のさまざまな暮らしの営みを、
克明に観察、記録、分析し、
これからの暮らしのかたちを、
今を生きる人々とともに創造しようと活動していました。
とくに、観察したスケッチとか、
それを統計化したグラフや一覧表がおもしろく、
まさに図解や可視化の、ことはじめだったのかもしれません。
一見の価値ありです。
この一行は、
農具が整然と、壁いっぱいに並んでいるようすや、
道具入れ、道具掛けなどを観察し、
それらのおのおのの並べられている位置や形が、
「それぞれ意味のある必然からで、一寸も一分もすきがない」
と書かれたものです。
ボクらデザイン業界の人間は、
「意味や理由を説明できないものは、デザインとは言わない」と、
若い頃、よく教えられてきました。
なんてことない、暮らしの一片を観察しながら、
それぞれの意味を分析し、
人々の暮らしに役立てていこうとする「考現学」という学問に、
とても共感し、興味を持ちました。
今和次郎さんの本との出会いは、
大学のファッション学科の研究室にあった一冊から。
ボクのノートを見て、お世話になっている先生が、
「おもしろいね、今和次郎さんみたいやね」と
紹介してくれたことから始まります。
その今和次郎さんの展覧会が、
大阪の国立民族学博物館にて開催中です。
といっても、なんと今日まで!
克明なスケッチや、建築の設計図面、服飾のパターンデザインなど、
さまざまな切り口で紹介されています。
もし興味のある方は、大急ぎで(笑)。
by at_caprice2
| 2012-06-19 10:29
| カプリスの日常