2009年 11月 25日
四コマエホンのできるまで(1)
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いかん、いかん…。
と、まぁデザイン業界、守秘義務があるため、
なかなか仕事を公開しにくい面もあります。
ところが昨日「記事を公開してもいいよ」と許可を得たので、
四コマエホンの制作ストーリーを、
ドキュメントタッチでブログに掲載していくことにしました。
11月13日(金)18:00〜20:00 第1回打合せ@なんば
クライアントは「NPO法人キャンサーサポートドリーム」さんです。
名前のとおり、がん支援の非営利組織で、
楽しいイベント活動を通じて、
がん検診推進、情報交換、講演などに取り組んでおられます。
将来は「がん検診」を無料にして、
誰もが気軽に受診できるようにしたい、と語っておられました。
四コマエホンは、楽しいイベント活動への参加を
呼びかけるためにご注文いただきました。
ご用意いただいた資料は名刺1枚のみ。
その代わり…。
とても“熱い想い”を2時間近くも語っておられました。
これが“原稿”です。
「ターゲットは30〜50代の健常者。
肝心なのは、健康な時からがんの正しい情報と接し、検診に行くこと。
楽しいイベントは子どもを含めた“家族”を引き込み、
啓発することがねらいなんです。」
さて。
四コマエホンは「1分間で伝える」ことがコンセプトなので、2時間のトークを1分間メッセージに圧縮しなければなりません。
仕事を持ち帰って、キーワードを整理し、4ページの内容に落とし込んでいきます。
ポイントは「がん」を意識させないこと。
「がんの情報って、重苦しいものとか、病院臭のするものが多いでしょ。
そういうのは避けたいんですよ。
はじめはがんを意識させずに、純粋に“楽しそうだな”と四コマエホンを手にとってもらい、
徐々にがんを意識させ、イベントに引き込むようにしたい。
そのためには子どもが反応・理解するようなデザインにしてほしい」
というリクエストに対し、切り口をどうしようか、あれやこれや思案。
手作りイベント風にしても“よくある”し、
健康をキーワードにしても陳腐だし…。
そこで色々なお話の中から、
「犬ががんを発見する」という情報を切り口にしました。
これをもとに4ページに展開。
ラフスケッチ(手描き基本設計)を作り、文案を流し込みました。
11月24日(火)18:30〜20:00 第2回打合せ@なんば
こうして作ったラフスケッチとお見積り、スケジュール案を持って、プレゼンテーション。
この案件のポイントは3つ。
●おや?何だろう?と思ってもらうこと。
●子ども目線での語り口でPRすること。
●次の情報(WEBサイト)へのアクセスを作ること。
そうして完成した四コマストーリーは…
1.たとえば「ペットの犬ががんを見つけてくれた」ということを知っていましたか?
2.「がん」が見つかってからでは、遅すぎることもあります。
3.「がん」の情報を「笑顔とふれあい」の中から。
4.“楽しむ”だけでなく、組織でしっかりフィードバック。
「私たちの言いたかったことは、こんなにシンプルだったのか」…と、
プレゼンの反応は上々でした。
特に表紙の切り口は、大いに喜んでいただけました。
そしてこのラフスケッチを見て、
また次々と次の活動展開のアイデアが浮かんできたようです。
こういう副次的効果がでると、より一層うれしいですね。
さて、次回の打ち合わせは12月2日(水)。
こちらからは表紙の色付け(本データづくり)の提示と、
併行して先方も持ち帰って、修正チェックを行っていただく予定です。
また完成までの制作模様を連載しますね。
by at_caprice2
| 2009-11-25 11:12
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