2009年 07月 06日
下村玉廣さん
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日本人でありながら、日本美術のよさが今一つ分かっていなかった頃、
染織は工芸などは高尚でとっつきにくい…
勝手にそう思い込んでいた時に出会ったのが、この一冊です。
そこに描かれていたのは、丸や三角、四角のシンプルな幾何学模様を巧みに取り入れた、心がほっとするような図案たち。
花鳥風月のモチーフはもちろん、日本昔話や干支の図案などもあり、
現代感覚にも十分にマッチする、
とてもアイデア豊かで、ちょっと「かわいい感じ」の染織図案でした。
今でもデザイン表現する際の、インスパイア用資料として、大切にしている一冊です。
下村玉廣さん。
1878年、京都生まれ。
開国後の日本の中にあって、外国の文化と日本の文化が交わるエキサイティングな時代に活躍した、染織図案家です。
もちろん、今でいうデザイナー。
日本文化が海外で高い評価を受けた明治時代。
産業意匠として多くの図案集を発行された方です。
下村さんの作品を通して、日本美術の心なごむ素朴な感じが、ちょっと好きになりました。
by at_caprice2
| 2009-07-06 12:46
| デザインのお話