2016年 05月 27日
「考えたことを試してみる」このあたり前で、もっとも尊いこと。
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人が「ものを作る」姿は美しい。
人が「行動する」姿は美しい。
昨日は、本当にそんなことを実感しました。
神戸芸術工科大学の「ファッション企画演習」の授業です。
「健康×ファッション」のテーマで、
トレンドやニュースなど、さまざまな視点から企画立案し、
最後にプレゼンテーションする授業です。
4月から始まり、
トンボマップで企画をまとめ、
4コマプレゼンテーションで、
デザインアイデアと商品戦略を発表し、
そして昨日がそのプロトタイプ(試作品)をつくる段階でした。
おもしろいことに今の学生は、
おおむね「社会課題」を企画の原点に据える傾向があります。
もしかしたら今の時代は、
「消費すること」よりも「社会不安の解決」のほうが、
生活者としての価値観が強くはたらくのかもしれません。
学生のアイデアはざっくり2つの傾向に分かれます。
一つは「ものをつくる」。
一つは「ことをおこす」。
いつもは机の上やパソコンの前でアタマをひねる学生たちも、
この日ばかりは実際に手を動かしたり、
企画を実践したりして、さまざまなアクションが見られました。
ちょっとボクが感心したのは、
15名の学生の中で「ワークショップ」の企画が3つもあったことです。
1つは「高齢者と子どもで古着をリメイクする」もの。
1つは「アートを通じたファッションアイテム」づくり。
1つは「“食”の切り口でファッションを問い直す」もの。
もはや「ファッション」も古い概念を破り、
さまざまな垣根をこえていく…そんな予感さえ感じます。
昨日はそんな学生のワークショップを受けました。
一方「ものづくり」にも、
社会課題の原点が根っこに存在します。
今までにまったく存在しなかった「新しいもの」を創造するに、
学生たちは試行錯誤、四苦八苦。
やっては失敗し、考えたとおりうまくいかない…。
ああ、しっかり物理を学んでおけば…。
それでもくじけず、また挑戦する姿は、
ほんとうに美しいと感じます。
さて次回は「計画→試作→」が終わり、
いよいよコンセプトボードの制作です。
せっかく一生懸命考えたアイデアも、苦労して作った試作品も、
その「価値」が伝わらなければ、
世に出ることなく、水の泡、はかなく消えていきます。
「伝える」ことは、アイデアを生かすためにもとても大切なのです。
by at_caprice2
| 2016-05-27 10:52
| 大学・高専での仕事