2014年 05月 23日
(3)100たま発想ワーク
|
デザイン図解のメソッド(3)
「100たま発想ワーク」
ある意味、デザイナーという人種は、
とても自信家なのかもしれません。
この仕事をやっていると、ひとつふたつアイデアが出てきても、
「いやいやこんなもんじゃない。
自分はもっと優れたアイデアを持っているはずだ」と、
それこそ、10案も100案も、考えたりします。
これは、いわば「デザイナーとしての体質」なのかもしれませんね。
グラフィックデザインの現場で、新入社員が入ってくると、
まずはじめにやってもらうのが、
枯渇するまでアイデアを出す訓練です。
おもしろい言い方をすると「アイデアの千本ノック」ですかね。
何をするかと言うと、平面上の「円」の形に、
陰をつけたり、構造を示したりしながら「球体」として表現する特訓です。
それもまったく異なる表現で100案!
これを言うと、たいていの人はぎょっとしますね(笑)。
実際に取り組んでみると、20案までは、まあ何とか。
40案を越えるあたりから、発想が枯渇してきます。
ほんとの地獄は70案くらい。
全くアイデアが行き詰まり、もはや限界!
…こうして、発想をしつこくしつこく
広げたり掘り下げる訓練をしてもらいます。
ちなみに今までの部下は、おおむね60案前後で挫折しました。
さて、そんな発想法を、おもしろおかしく一般向けに改質したのが
「100たま発想ワーク」です。
カラフルで楽しい円形の紙を「球体」になるよう、
グループで100案出すことがゴールです。
まずはじめに、各々が10〜20案くらいまでチャレンジ。
ある程度時間が経ったら、「発想の木」をベースに、
他の人の発想に刺激されながら、発想の枝葉を広げていきます。
そうすることで、さらに20案、30案と広がっていきます。
時間が来たら、紙面いっぱいに広がった「発想の木」を検証しながら、
「キメの1案」をグループで採択します。
実は「発想の木」はここに真髄があるのです。
アイデアの道筋をたぐっていくと、
必ず枝葉の大きな「分岐点」があります。
それは、ハッと視点が変わったり、ワッと盛り上がったり…。
そこに原石となる「アイデア」が潜んでいるのです。
アイデアの神は「突然降りてくる」のではなく、
たくさん広がったアイデアの中から一つ、
神が「それ、ええやん!」と発見し、キラメキを与えてくれるんですね。
【100たま発想ワークを使うプログラム】
エゴコロサロン「アイデアひらめきゼミ」 ほか
by at_caprice2
| 2014-05-23 22:18
| デザイン図解のメソッド