2009年 07月 13日
ミヒャエル・ゾーヴァさん
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どうやら昨日で終了したようですが、京都の美術館「えき」KYOTOで、
ミヒャエル・ゾーヴァさんの展覧会がありました。
主に絵本の挿し絵を描いてる、1945年ドイツ生まれの作家さんです。
こういうユーモアのある作品が大好きで、
日常の“ちょっとありえない世界”を、こっそりと覗いてしまった・・・
だから、ファンタジックでありながら、妙にリアル。
そんな不思議な感覚があり、プッと笑えます。
絵本の挿し絵はかなり難しいでしょうね。
本のストーリーの中で、どのシーンを切り取るのか、どんな絵にするのか。
それによって読み手のイメージが固定されてしまうので、
純粋な絵本は、なるべく抽象的な方がいいと、ボクは思います。
だって、昔、一休さんのアニメを見ていたけど、
一休さんの実際の肖像画を見て、若干ショックだった思い出があります。
桃太郎の絵なんて、その時に読んだ絵本の桃太郎が、自分の桃太郎なんです。
三国志も、横山光輝です。
そんな意味で、絵本の絵って、作家の想いと共鳴しなければいけない。
だからなるべく人によってイメージが広げられるよう、
なるべく抽象的な方がいいのかな、と思っていました。
でもゾーヴァさんの絵は、精密でかなり写真にも近い。
なのに見る人によってイメージが広がる。何でだろう?
だから挿し絵というよりも、アートに近い位置に存在すると感じました。
フェルメールの絵や、芭蕉の俳句にも似た、
ストーリーがなくても、1枚1枚にドラマや世界が凝縮されている感じ。
そんな懐深い作品が、また刺激を与えてくれました。
by at_caprice2
| 2009-07-13 09:19
| デザインのお話